針ノ木岳(柏原新道〜種池山荘〜岩小屋沢岳〜新越山荘(泊)〜鳴沢岳〜赤沢岳〜スバリ岳〜針ノ木岳〜針ノ木峠〜大沢小屋〜扇沢駅)

針ノ木岳山行き(9月26日 2日目)
(新越山荘〜鳴沢岳〜赤沢岳〜スバリ岳〜針ノ木岳〜針ノ木峠〜大沢小屋〜扇沢ロッジ)

針ノ木岳山行き(9月25日 2日目)(新越山荘〜鳴沢岳〜赤沢岳〜スバリ岳〜針ノ木岳〜針ノ木峠〜大沢小屋〜扇沢ロッジ) 針ノ木岳山行き(2日目)   HOME HOME

1日目出発地:扇沢ロッジ ← クリックすると1日目の記録へジャンプします。
扇沢ロッジ(07:12)−[16分]→柏原新道登山口−[49分]→八ツ目ベンチ−[23分]→ケルン−[50分]→一枚岩−[23分]→石畳−[37分]→ガラ場−[38分]→種池山荘−[95分]→岩小屋沢岳−[42分]→新越山荘(14:32)
1日目到着地:新越山荘(泊)

1日目歩行時間:およそ6時間13分 +(食事・休憩 1時間07分)=所要時間:7時間20分
1日目歩行距離:約10.3km

2日目出発地:新越山荘
新越山荘(06:10)−[52分]→鳴沢岳−[63分]→赤沢岳−[111分]→スバリ岳−[51分]→針ノ木岳−[43分]→針ノ木峠(針ノ木山荘)−[151分]→大沢小屋−[47分]→針ノ木登山口−[31分]→扇沢駅−[12分]→扇沢ロッジ(16:50)
2日目到着地:扇沢ロッジ

2日目歩行時間:およそ9時間21分 +(食事・休憩 1時間19分)=所要時間:10時間40分
2日目歩行距離:約13.3km

総歩行時間:約15時間34分 +(食事・休憩 2時間26分)=所要時間:18時間00分
総歩行距離:約23.6km(GPSナビの距離データ)


マップ上の青文字をクリックして下さい。その場所の写真が表示されます。 扇沢ロッジ 柏原新道登山口 八ツ目ベンチ ケルン 一枚岩 石畳 ガラ場 種池山荘 岩小屋沢岳(標高2630.3m) 新越山荘 山荘の部屋から剱・立山を望む 山荘前からこれから向かう針ノ木方面を望む 鳴沢岳(標高2641.0m) 鳴沢岳から赤沢・針ノ木岳方面を望む 赤沢岳(標高2677.8m) 赤沢岳から岩小屋沢岳方面を望む 黒部湖が眼下に スバリ岳(標高2752.0m) スバリ岳から針ノ木岳を望む 針ノ木岳(標高2820.6m) 針ノ木岳から槍ヶ岳方面を望む 針ノ木峠 雪の無くなった針ノ木雪渓を降りる 大沢小屋 針ノ木岳登山口 扇沢駅
第2日目
昨日は濃い霧の中午後2時半過ぎに新越山荘へ到着し少し早い目の夕食(17:30)を済ませ明日の天気等の雑談をしていたが特に何もすることがないので18時過ぎには床につき目を閉じているといつの間にか眠ってしまった。
途中薄っすらと記憶の残っているが夜半まで雨の音がしていたようである。その雨も目が醒めた時には止んでおり窓越しに薄っすらと明るくなった周りの雰囲気でガスの跡形は無く今日は素晴らしい快晴になることを確信した。早速飛び起きカメラを持って表へ飛び出しご来光を待っているとしばらくして太陽が雲海から顔を出し始めたと思うと辺りは一気に明るくなり見る見るうちに雲の上へと上がってしまった。
ご来光の写真を写し再び部屋へ戻り窓から外を眺めると目の前には剣・立山の素晴らしい眺めが飛び込んで来たではないか。北アルプスを訪れて初めて見る風景である。このような素晴らしい眺めを今日一日思う存分に楽しめるかと思うと気分は既にウキウキ状態である。準備を整え早速表に飛び出すと既に太陽は高くなり目の前にはこれから向う鳴沢岳や最後に登る針ノ木岳の素晴らしい稜線がクッキリと見えている。
6時10分いよいよ第2日目のスタートである。目の前にはこれから向う鳴沢岳や赤沢岳、スバリ岳、針ノ木岳の山容がクッキリと見えている。山荘前にある道標に従い最初の目的地である鳴沢岳へと向った。青空の下緩やかに上る尾根道を快適な足取りでしばらく歩いて行くとやがて道はハイ松帯に変わり右方向には剱岳が目に飛び込んでくる。まさに絶景とはこのことで山荘の窓から見た風景とは一味違って見える。目の前には鳴沢岳がまた後ろを振り返ると昨日霧の中でピークを踏んだ「岩小屋沢岳」がクッキリと見えている。やがて道は岩尾根と変わり足下に注意しながら登ることになる。抜けるような青空の下、爽やかな冷気に包まれ殆んど汗をかくこともなく更に急な岩尾根を登り切ると目の前に鳴沢岳のピークが見えている。右方向には剱岳や立山がいつまでも見送ってくれているではないか。
こんな素晴らしい眺めを体験したのは初めてである。先頭を行く私が立ち止まって景色を眺める回数もかなり多い。だが何回見ても飽きることのない素晴らしい眺めである。道は相変わらずの岩道で周りの展望を楽しみながらのユックリとしたペースで歩くこと新越山荘を出発しておよそ50分程で「鳴沢岳(標高2641.0m)」へ辿り着いた。
山頂からの展望は360度の大パノラマである。後を振り返れば昨年登った鹿島槍ヶ岳が、また目の前にはこれから向う「赤沢岳から針ノ木岳」の山並みや行く手右方向には「立山から剱岳」の山並みなど北アルプスの素晴らしい山々を見渡すことができ眺めはまさに絶景である。
山頂での眺望を充分に楽しんだ後次ぎの目的地である赤沢岳へと向った。山頂から一旦正面の立山に向って緩やかに下りることになる。しばらく行くと尾根道は左へ大きく曲がり赤沢岳を正面に眺めながら緩やかなアップダウンを繰り返し山頂を目指すことになる。目の前には赤沢岳のピークが見えているが中々辿り着かない。ハイ松帯の中の岩道を足下に注意しながらユックリと歩くことおよそ1時間程要して「赤沢岳(標高2677.8m)」へ辿り着いた。
山頂からの展望は鳴沢岳と同様に360度の大パノラマであるが若干周りの山並みの見え方が違う程度である。後を振り返れば辿ってきた鳴沢岳や岩小屋沢岳と昨年登った爺ヶ岳や鹿島槍ヶ岳などが一望でき右後方にはいつまでも「剱岳や立山」が見送ってくれており、また目の前にはこれから向う「スバリ岳」がクッキリと見え、眼下には黒部湖を望むことができたが水の色が少しくすんでいたのは残念であった。
およそ10分程の展望を楽しんだ後次ぎの目的地であるスバリ岳へと向った。岩道を一気に下り一旦鞍部まで下りると目の前には鋭い岩稜のスバリ岳が聳えている。スバリ岳に辿り着くまでには途中の2494mピークと2569mピークを越えて行くことになりこれから辿る尾根道がハッキリと見えている。
緩やかなアップダウンを繰り返して最初の難関2494mピークへと向うが一旦下って再び上り返すには相当の体力が必要であると実感した。この時点で既に鳴沢岳、赤沢岳と登ってきており足腰にかなり疲れを感じその証拠にペースがかなりスローダウンしてきたのである。しかしヨタッテもいられない、途中の岩道は一歩足を踏み外せは谷底へ転げ落ちそうな場所ばかりである。やっとのこと2494mピークへ辿り着いたと思ったら再び次ぎの2569mピークが待っているのである。
岩尾根のアップダウンを繰り返し途中左側(扇沢側)が切れ落ちて絶壁となっている危険な場所を慎重に通過するとやがて馬ノ背状の平坦な場所へ到着する。 ここから先2569mピークを経てスバリ岳へと登ることになるが一度下ってきた足腰に再びの登りはかなり負担がかかりそうで、登り始めるとやはり周囲を眺めているゆとり等はない。疲れた足を一歩一歩前に出すだけでただ気力で登っているようなもので少し歩けば一休みといった繰り返しでありる。しかしいつの間にか2569mピークも通り過ぎハイ松帯の中の急なジグザグの岩道を登って行くとやがて頭上にスバリ岳の道標の先端が顔を覗かせた時は”ヤッター”と心の中で叫んでいた。赤沢岳を出発しておよそ1時間50分程要してやっとのこと「スバリ岳(標高2752.0m)」へ辿り着いたのである。
山頂部は狭く荒々しい岩があちこちに突き出している。目の前には今回の最高峰である針ノ木岳が聳えており斜面の中間辺りにおそらく急な登りであろうつづら折れの山道がクッキリと見えている。
しばしの休息後今回の最高峰である針ノ木岳へと向った。前方には右側(扇沢)からガスが舞い上がっているが行く手を遮るほどではない。一旦下り小さく登り返すと小スバリのピークであるが気付かぬままに通り過ぎてしまった。スバリ岳から下りることおよそ15分程で針ノ木岳との鞍部(山地図には「マヤクボノコル」と記述されている)へ降り立つが、そこから針ノ木岳への最後の登りが待ち構えている。
前方には山頂まで続くガレた岩道がハッキリと見えている。この登りが今回の山行きで最後の登りである。心新たに第一歩を踏み出すことにした。しかし凄いの一言につきる岩道である。ガレ石に足を取られないように足下に気を付けながらどんどん登って行くのだが目の前に見えている山頂部には中々辿り着かない。途中いつまでも眼下には黒部湖が、後を振り返れば先ほど登ったスバリ岳や赤沢岳の美しい山並みが望め遥か遠くに雲の中から鹿島槍ヶ岳も頭を覗かせていた。
最後の力を振り絞りガレた岩道をやっとの思いで登り切ると遂に今回の最高峰である「針ノ木岳(標高2820.6m)」の山頂へ辿り着いた。スバリ岳を出発しておよそ50分程要しての到着である。
山頂部は平坦でやや広く貸切り状態の山頂からは360度遮るものは無く頭上には真っ青な青空が広がっている。文句無しの晴天である。後方にはいつまでも剱や立山が見送ってくれており南方向には槍ヶ岳も雲の上からチョッピリ顔を覗かせているのが遠望できた。
針ノ木岳からの帰路は針ノ木小屋のある針ノ木峠へ下り北アルプス3大雪渓の一つである針ノ木雪渓を通り大沢小屋を経て扇沢へ下りることになる。ここまでずっと我々の山歩きを見送ってくれていた剣岳や立山ともここでお別れである。昼食も済ませ山頂からの眺望を思う存分に楽しんだ後、針ノ木小屋の建っている針ノ木峠へ向かうことにした。
尾根道は相変わらずのガレ道で足下に注意しながらユックリと下りることになるが途中後ろを振り返ると針ノ木岳が「気を付けて・・・」と言わんばかりに見送ってくれているではないか。右方向には少し色づいたダケカンバの黄葉も目立ち始めている。やがて正面に蓮華岳を見上げながら岩道を下りていくと眼下に針ノ木小屋が現れる。少し急な岩道を下りきった所が「針ノ木峠」である。針ノ木岳を出発しておよそ45分程要しての到着である。
峠から先は雪渓を下り大沢小屋を経て扇沢へ向かうことになり小休止の後、峠にある道標に従って扇沢方面へ向かうことにした。道標には「大沢小屋まで(3k 1:30)」と書いてある。おそらく1時間30分程で着くのであろう。峠の前の階段道を下って行くと途中から赤茶けた砂地の急なジグザグの道に変わる。滑り易いジグザグ道を足下に注意しながら谷筋まで下りることになる。谷筋に架けられた丸太橋を右岸へ渡ると道は一変して岩の飛び出た歩きにくい道に変わり急な岩道を足下に注意しながらしばらく下って行くとやがて右側から冷たい水が流れ落ちる「レンゲ沢の水場」へ辿り着く。峠を出発してからおよそ40分程のところである。手を長く浸けていられない程の冷たい水で、口に一口含み喉を潤したあと再び荒れた谷筋を下りることにした。
途中再び左岸へ渡り返してしばらく行くと「雪渓 通行不可 ←」と書かれた標識が現れた。この時期もう雪渓は通れないらしい。仕方なく標識に従い左岸沿いの山肌をしばらく歩いて行くと遠く前方に雪渓らしき物が見えるが近くまで行くとそれは哀れな姿でまさに雪渓の残骸であった。そこから道は左へ大きく迂回しておりしばらくその道を辿って行くとやがて急な岩場が現れクサリを頼りに再び左岸沿いの道に降り立ったところで対岸へ渡り右岸沿いの荒れたガレ道を歩きしばらく行くとまた再び左岸へと渡り返して荒れた谷筋の道をどんどん下って行くことになる。
谷筋の下りも緩やかになってくると再び左岸沿いの捲き道を辿ることになるが途中左手の岩盤に貼り付けられた道標が現れる。道標には「針ノ木小屋2.30←現在地→0.20大沢小屋」と書かれている。峠を出発してちょうどこの辺りで既に2時間が経過している。道標を見る限り大沢小屋まではもう少しである。更に捲き道を辿ることになるが途中斜面が崩落している場所もあり急造りのルートを辿って崩落部を廻りこみ再び捲き道に戻ることになる。途中対岸の岩壁を流れ落ちる長い滝を右に見送りしばらく歩いて行くとやがて「大沢小屋」へ辿り着く。針の木峠を出発しておよそ2時間30分要しての到着であるが小屋の入口は閉じられているので立ち寄ることは出来なかった。今期の大沢小屋の営業は9月15日迄だったらしい。
小屋の前で小休止をした後、扇沢へと向かうことになるが道は露岩が飛び出し疲れた足には歩き辛い道である。途中アップダウンを繰り返しながら水が流れていない大きな岩ばかりの赤沢鳴沢を通り過ぎるとやがて大きな広場となっている「針ノ木岳登山口」へ到着する。大沢小屋からおよそ50分程要しての到着である。
扇沢へは目の前の針ノ木隧道(関電トンネル)の舗装道を歩くことにした。ここから先の山道は舗装道と何度か交差しながら樹林の中を下るように伸びているが長時間の荒れたガレ道を下りてきたためか膝へのダメージも大きくここはノンビリと舗装道を歩き扇沢へ向かうことにした。
舗装道をしばらく歩いていくとやがてトロリーバスの発着場へ突き当たる。発着場の前にある扇沢ゲートを通り抜けるとすぐに「扇沢駅」である。針ノ木岳登山口からおよそ30分程要しての到着であり、ここから先はノンビリと車の停めてある扇沢ロッジまで歩くだけである。扇沢駅からおよそ10分程で「扇沢ロッジ」の駐車場へ到着し今回の山歩きは無事終了した。
あとは毎年お世話になっている「ペンション 樹里家」へ直行して二日間の山歩きの疲れを癒し今回のアルプス遠征は無事終了した。


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数は少ないですが針ノ木岳山行きで咲いていた花の写真をまとめました。針ノ木岳山行きで写した花の写真 ← クリックして下さい。


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