鹿島槍ヶ岳(柏原新道〜種池山荘〜爺ヶ岳〜冷池山荘(泊)〜布引山〜鹿島槍ヶ岳(折り返し)〜布引山〜冷池山荘〜冷乗越〜赤岩尾根〜高千穂平〜大谷原)
鹿島槍ヶ岳山行き(9月23日 1日目)
(柏原新道〜種池山荘〜爺ヶ岳〜冷池山荘(泊))
1日目出発地:扇沢ロッジ
扇沢ロッジ(07:10)−[15分]→柏原新道入口−[55分]→八ツ見ベンチ−[25分]→ケルン−[40分]→一枚岩−[25分]→石畳−[25分]→種池山荘−[60分]→爺ヶ岳(南峰)−[20分]→爺ヶ岳(中峰)−[爺ヶ岳(北峰)通過:60分]→冷乗越(赤岩尾根分岐)−[15分]→冷池山荘(15:30)
1日目到着地:冷池山荘(泊)
1日目歩行時間:約5時間40分(食事・休憩時間は含んでいません)
1日目歩行距離:約10.0km
2日目出発地:冷池山荘 ← クリックすると2日目の記録へジャンプします。
冷池山荘(06:45)−[70分]→布引山−[50分]→鹿島槍ヶ岳(南峰)−[35分]→布引山−[50分]→冷池山荘−[15分]→冷乗越(赤岩尾根分岐)−[60分]→高千穂平−[110分]→西俣出合−[65分]→取水口−[15分]→大谷原(16:25)
2日目到着地:大谷原
2日目歩行時間:約7時間50分(食事・休憩時間は含んでいません)
2日目歩行距離:約13.0km
総歩行時間:約13時間30分(食事・休憩時間は含んでいません)
総歩行距離:約23.0km(GPSナビの距離データ)
マップ上の青文字をクリックして下さい。その場所の写真が表示されます。
毎年恒例の長距離山行きである。今回は後立山連峰の中でも人気上位の山であり、南峰と北峰を結ぶなだらかな曲線が美しい双耳峰の鹿島槍ヶ岳へ向った。
第1日目
明け方まで降っていた雨も今はあがりどんよりとした曇り空の中、前泊していた扇沢ロッジからのスタートとなる。
扇沢ロッジから少し歩くと車道へ合流し、車道をしばらく歩くと扇沢に架かる扇沢橋が現れる。その橋を渡りきったところが柏原新道の登り口であり、入口には柏原新道の道標と爺ヶ岳登山口の案内板がある。道標に従い扇沢の左岸をしばらく歩いて行くと道は右側に曲がり樹林帯の大きな尾根の斜面に取り付く。通称「モミジ坂」と言われるつづら折れの急坂を登ることになり高度を一気に稼ぐことができる。ガスに覆われて展望のあまり良くない山道を登り初めて約45分程でベンチのある少し平坦な場所に辿り着く。そこが「八ツ見ベンチ」である。ベンチからは南側の展望が開けているらしいがあいにく雲がかかっており僅かな木の隙間から遥か下の「扇沢バス停」を眺められる程度である。
ベンチで一息ついた後も相変わらずの急坂を登り続けることになり歩くこと約25分程で鉄のアングルで組まれた高さ1m程の「ケルン」に到着し少しの休息を取る。
ケルンを過ぎた辺りから幾分勾配が緩やかになったように感じたが疲れ果てた身体にはまだまだ急な登り坂である。ケルンから登ること約40分程で「一枚岩」に辿り着くが、周りを見回してもそれらしき岩が見当たらない。どこにあるのだろう?と思いながら「一枚岩」を通り過ぎる頃、やっとガスも薄らぎその切れ間から青空も顔だし左手には「岩小屋沢岳」がクッキリと、前方の稜線には種池山荘を遠望することができた。
しばらく行くと大きな石が道に敷詰められたようになっている。この辺りが石畳であろうかと思いながら歩いているとやっぱり途中右側に「石畳」の標識が現れた。石畳からクッキリと「種池山荘」を見ることができた。
石畳を過ぎると道は平坦な道となり「水平道」と書かれた標識や「石ベンチ」と書かれた標識の場所を快適?な足取りで通過する。赤や黄色に色づいた周りの景色を楽しみながらノンビリと歩くことになる。が、それも束の間すぐに危険極まりない「ガレ場」が現れる。ヘッピリ腰でやっとのこと通過すると再び尾根への急坂が待ち受けている。牛歩のごとく歩いて行くと「これでもか」と更に石畳状の急な階段道が待ち受けている。上る途中「周りの景色が開けてきたな」と感じたら「種池山荘」はもうすぐである。昼飯前の最後の力を振り絞りやっとの思いで「種池山荘」へ辿り着いた。
辿り着くやいなや疲れも忘れ早速山荘からの眺めを楽しむことにした。時々ガスが舞い上がって全く展望を楽しむことができない時もあるが、暫らくすると強い風がそのガスを吹き飛ばし青空を覗かせ周りの山々の素晴らしい展望を満喫させてくれた。山荘の裏手からは明日登る予定の「鹿島槍ヶ岳」の美しい双耳峰を望むができた。
昼食も終り山荘からの眺めも充分に楽しんだあと、いよいよ後半の爺ヶ岳南峰へと向った。山荘から先は背の高い樹木もなく景観もすばらしく周りの景色を楽しみながら緩い傾斜をノンビリと登って行くことになる。目の前にはハイマツ帯越しに爺ヶ岳の美しい山容が広がっており、しばらく行くと小高い庭園のような場所がある。振り返るとハイマツ帯越しに周りの風景と調和のとれた「種池山荘」の赤い屋根がクッキリと見え、左手にはここまで登って来ないと見ることができない布引沢側の美しい黄葉が広がっている。
山荘から見えていた爺ヶ岳南峰のなだらかな山容も山頂に近づくにつれ徐々に勾配を増し山頂直下ではかなり急な登りとなる。途中振り返ると強い風がガスを持ち去ってくれたのか遥か向こうに剱・立山連峰を望むことができた。種池山荘を出発して「爺ヶ岳南峰」山頂までおよそ1時間程要している。
山頂で展望を楽しんでいると再びガスに遮られ仕方なく次の「爺ヶ岳中峰」へと向った。山頂一帯には瓦礫が一面に拡がっており転倒や捻挫などしないよう足下に注意しながら一旦コルまで下りて再び中峰への上り坂に取り付くことになる。
縦走路を少し歩くと右へ登る急坂が分岐している。その急坂を登るとすぐ爺ヶ岳中峰(標高2669.8m)の山頂である。山頂は雲に覆われて展望を楽しむことができず只通り過ぎるだけになったが、山頂から少し下った所で同行者の一人がハイマツの中から派手な鳴き声をあげて出てきた一羽の「雷鳥」を発見した。その雷鳥を写真におさめられたことが唯一の収穫であった。(余談:雷鳥はガスが出てくると現れるらしい)
中峰を下り北峰を通り過ぎる頃ふたたび視界が開け、遥か前方に「布引山」と「鹿島槍ヶ岳」の美しい山容を眺めることができ眼下には本日の最終地点となる「冷池山荘」の赤い屋根がクッキリと見える。北峰を通り過ぎる辺りから結構急な下り坂となり、ザレ道を約30分程下りるとやがて冷乗越(赤岩尾根分岐)へ到着する。(赤岩尾根は明日下山時に歩く予定のコースである)
ここから更に急坂を下り続け一旦コルまで下がり再び樹林帯を登り返すと今日の最終地点である「冷池山荘」へ到着した。
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